『ぼくは愛を証明しようと思う。』 藤沢 数希 -恋愛初級者のための指南書-
本書はモテない主人公の渡辺正樹が『恋愛工学』を使う永沢と出会うことで、それまで渡辺が抱いていた恋愛観を崩し『恋愛工学』に基づいて正しい方法論を学んでいく小説となっている。
想定するおすすめ読者としては、恋愛が上手くいっていない非モテ男。または恋愛初級者向けの内容となっている。
恋愛工学とは藤沢数希さんの『金融日記』の一部であり、進化生物学や心理学を基礎として恋愛を工学まで高めたものとなっている。本書ではその『恋愛工学』の重要理論を基本とし、モテない男がしがちな非モテコミット、フレンドシップ戦略、友達フォルダーなどを否定し、どう女性と駆け引きをしてモテる男になるのかを、ストーリーを通して分かりやすく説明されている。
"いいか、わたなべ。恋愛というのは運とスキルのゲームなんだよ。頭を使って戦略的にプレイしないとダメなんだ"
本文中に永沢から渡辺に語られた言葉である。女の子と仲良くなって、好きになって、結ばれるのが恋愛だと考えている渡辺に対して、真逆のことを言う永沢に対して混乱する。一般的には、一途に一人の女性を思い続けることが美徳とされているが、それが思い込みだと気付かされる。
"俺たちは女の前では、自分は女にモテモテで、セックスなんかいくらでもやりたいだけやれている、という顔をしてなきゃいけないってことなんだよ"
グッピーやメダカでさえ、客観的なルックスよりも、他のメスにモテているオスのほうがモテるという、生物学的な知見から、人間の恋愛にも同じことが言えることを証明している。
著者は藤沢数希さん。他の作品として『損する結婚 儲かる離婚』などがある。
こちらも『結婚とは金融商品である』と、おもしろい見解を展開されており、金融商品たる由縁が語られている。結婚に対して、単に好きな人と結ばれるものとしか考えていない人にとって驚愕の内容であるだろう。
既に述べたが、本書は恋愛初級者向けの内容となっている。これまで自分が恋愛に対してコミットしていた行動で、好きな女性が振り向いてくれない、つらい経験を重ねてきた男子諸君にとって、これまでの自分がなぜモテなかったのかを気づかせてくれること間違いないだろう。
『恋愛工学の教科書 科学的に証明された恋愛の理』ゴッホ -恋愛初心者に捧げる入門書-
『恋愛工学』?何だそれは?そんな学問が存在するのか?
本書から抜粋すると、恋愛工学とは
"恋愛工学とは、進化生物学や心理学の研究結果、金融工学のフレームワークを使って、恋愛を科学の域にまで高めたものです。"とのことだ。
本書は、著者のゴッホさんがその基本的な理論と、恋愛工学プレイヤーとして実践した内容を盛り込んだ指南書となっている。
本書の想定読者としては、本文中にもあるが『初級プレイヤー、もしくはプレイヤーになろうとしている人』だ。もう少し広い意味では、恋愛に対して非モテコミットを繰り返し、モテから自ら遠のく行動をする男子諸君でもある。
大枠としては藤沢数希さんが連載していた『金融日記』の一部である、恋愛工学がもとになっている。ただし、重要理論のバックナンバーだけでも膨大な量となっているため、初級者として抑えておきたいポイントを分かりやすくまとめて、著者のゴッホさんの経験を盛り込んだ内容となっている。
本書と同様に恋愛工学の入門書としては、藤沢数希さんの『ぼくは愛を証明しょうと思う。』がある。こちらは小説となっており、架空の登場人物である、非モテコミット主人公が恋愛工学を学び、モテる男になる話だ。小説だけあってとても読みやすく、また重要理論も織り交ぜて説明されているので非常に勉強になる。
ただし、体系的に学ぶにはよくできているが、小説のため話がうま過ぎると思える部分もある。その信憑性を担保する意味でも、実際に実践したゴッホさんの経験を踏まえて語られているところが、より具体性を増している。
"女は男のことを良い遺伝子を与えてくれるGood Genesか、良い父になってくれるGood Dadかどうかで評価しています。"
Good Genesとは、"その人の子供を生むと、自分の子供がヤリチンになって、たくさんの子孫をのこすことができる"
また、Good Dadとは、"良い父としての素質です。ここでは、①子育てに協力してくれて、母親と子供を捨ててトンズラしないかの「誠実度」と、②「カネ・権力」をもっているかという2つのポイント"
上記のような進化心理学を使って、論理的にモテるということを証明しているところが、単なる個人のナンパ自慢ではなく、工学として名付けている由縁だ。
著者のゴッホさん自体匿名で活動されている方なので素性は分からない。
自称恋愛工学の中級プレイヤーとのことではあるが、実際にどれだけの実績があるのかは未知数というところだろう。ただし、最近はVoicyでも人気があり、個人的にもおもしろく聞かせてもらっている。
読んでみればおもしろさは分かってもらえると思うが、恋愛に対してあまりうまく言っていない男子にとって、目からウロコであり、良い指南書となること間違いない。
自分ももっと早く知っておきたかったと悔やまれることこの上ない。
『ブランド人になれ!』 田端 信太郎 -会社の奴隷解放宣言-
スーパーサラリーマンを目指す!!
それが私がこの著書を読んだ率直な感想だ。
自分のことを『社畜』と言って卑下する人がいる。会社に雇われて、言われたことに対して有無を言わずに従う。そんな人を世の中では社畜というようだ。
だがちょっと待って欲しい。同じサラリーマンとして会社に雇用されているのに、自由に生き生きと働いている人がいる。それが著者の田端信太郎さんだ。
サラリーマンとして毎日を奴隷のように働いている人にとって、本書は、会社の名前でなく自分の名前で仕事をする『ブランド人』になるためのヒントが語られている。
本書の構成はそれぞれの章の中に、代表的な一言がそえられており、その言葉の表す意味を説明する流れになっている。章ごとの文章量は多くないが、一言にインパクトがあり、その言葉を田端さんの価値観で面白く説明されている。
他の著者と違って、田端さんの文章には少し難しい言葉が使われている。
文章を書く仕事をされているわけではないのに、好んでそういった言葉を使用されているところが、田端さん独自の価値観をより高めているように感じた。
"ドMからドSへ"
この言葉が個人的には一番刺さりました。(笑)
プレイの話ではなく、サラリーマンの給料がいろいろなことへの『我慢料』をもらうだけのドMすぎる労働者となっている。そのマインドを今すぐ辞めて、今日からドSとなるべきと述べられている。ドSとは、サービス精神のSであり、スペシャリストのSである。徹底的にサービスすることで、人から喜ばれる。喜ばれるから対価を払ってもらえる。
"とにかく量をこなせ。量が質を生む"
他人が喜んでお金を払ってくれるレベルにまで、仕事の質を高めるためには、圧倒的な量が必要となる。量がなければ、質に転化できないため、土台をつくることができない。とにかく量をこなすことの必要性が語れている。
著者の田端さんの経歴はとても華やかだ。NTTデータ、リクルート、ライブドア、LINE、ZOZOを渡り歩いている、まさにスーパーサラリーマンだ。
他の著書としては『MEDIA MKERS』がある。こちらもとてもおもしろ内容となっているのでおすすめだ。一流のメディア人の考え方を学べる一冊になっている。
大企業に就職すれば安泰という時代が終わり。今は個人の時代となり、一人の社会人として、どのようにこの時代をおもしろく渡り歩くか。その方法が語られている。
ツイッターで頻繁に炎上している田端さんらしい切り口て語られているところもあり、非常に刺激的な一冊になっているので、サラリーマンとして現状に満足できていないあなたにとって、スーパーサラリーマンになる手助けとなってくれること間違いないだろう。
『アヒルと鴨のコインロッカー』 伊坂 幸太郎著 -現在と過去の交差する先に-
やはり伊坂幸太郎はすごい。
そう思わざるおえない、そんなストーリー展開だ。
本書は過去と現在のエピソードが交互に展開される。序盤は、過去と現在とのストーリーの関連性が分からないが、話が進むに連れてその距離感が近づく。そして意外な結末を迎える。。。
主人公は何の変哲もない学生と、フリーター(?)。舞台も何の変哲もない日常だ。
ただし、そんな日常に加わる非日常。そんな非日常が、普段何気なく生活して、刺激を求めている読者にとって、引き込まれるスパイスとなっている。
登場人物は、大学生の椎名、フリーター?の河崎、ペットショップ店員の琴美、大学院生でブータン出身のドルジ。舞台は現在と過去を行き来するなかで、登場人物のそれぞれの視点でストーリーが語られていく。序盤は関連性が分からず、なおかつ、椎名が河崎に一緒に本屋を襲うことを持ちかけられることから始まる。そして過去に語られる、とある事件をきっかけに現在と過去との距離が近づいていくことになる。
"僕はモデルガンを握って、書店を見張っていた。夜のせいか、頭が混乱しているせいか、罪の意識はない。強いて言えば、親への後ろめたさはあった。"
冒頭の出だしから、頭の中でクエッションマークがいくつも点灯する。伊坂幸太郎の面白さはここにある。非常に掴みがうまいのだ。
伊坂幸太郎さんといえば、本好きの人で知らない人はいないと言えるほどの人気作家だ。その他の代表作といえば、『重力ピエロ』、『ゴールデンスランバー』など大変おもしろい作品を多数手がけている。
初めて読んだ伊坂さんの作品は『重力ピエロ』だった。伊坂さんの作品は王道というより、覇道だと思っている。人間のダークサイドな側面を上手く織り混ぜることで、ストーリー全体にいいテンポを生んでいる。本作も出だしのつかみから、人間の裏の部分を上手く表現され、後半に進むほどストーリーに引き込まれていく。
読み進めれば、進むほど先が気になってページを捲る手が止まらなくなる、そんな時間を提供してくれること間違いなしだ。
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』 水戸 政和著 -人生100年時代のサラリーマン生存戦略-
サラリーマンといえば、一つの会社に就職して、仕事に一生懸命打ち込み、60歳になったら退職して老後は退職金を使って悠々自適の生活。
そんな時代はとっくに終わった。これからの時代はサラリーマンでも会社を持って、資本家になることの優位性を本書は説いている。
本書の想定読者は、組織で自分の力を出し切れていないサラリーマン、定年退職を間近に迫った方に、『人生100年時代』における新しい資産形成法を踏まえたヒントと、ノウハウが詰め込まれている。
サラリーマンがやるべきこと、それは中小企業をM&Aすること!!
ずばり本書が伝えたいことはこれだ。なぜサラリーマンが会社を持つべきなのか、そのための方法と、社会的な意義が述べられている。おもしろいのは起業について反対を示しているところだ。今の時代の流行りとしては、起業を進める風潮があるが、本書では真逆の意見を持っている。
また、会社員の経験は経営者としては活かすことができないと思われているが、こと中小企業においては、管理職として大企業で培ったノウハウが、活かせることも説明されている。一般的な経営者になるための本と真逆の持論を展開しているところもポイントだ。
"10年が経過してすでに一定の経営資産を持ち、経験を積んだ社員がいる企業を買って、それを土台に経営をするのです。"
"ゼロイチ企業の初心者かもしれませんが、組織マネジメントは大ベテランです。"
つまり、既にある程度の経営基盤がある組織なら、大企業で管理職として働いた経験があるサラリーマンならその経験を生かして、大企業で培ったスキルを使って効率化を実施することができる。0から1ではなく、10を20、30にするのはサラリーマンの時と同じため、それ程難しいことではないとうことだ。
著者の水戸政和さんはベンチャーキャピタリストとして活躍されている方で、中小企業の事業再生、事業継承に関するバイアウト投資も行っているだけあって、日本の中小企業の後継者不足問題の解決方法として、こういった方法を提唱している。
日本には、高齢の経営者が家族経営でほそぼそと事業を回している中小企業がたくさんある。その中には、素晴らしい技術を持った会社も多数含まれている。そのような会社を、意欲あるサラリーマンが経営を担うことで、会社も個人としても新たな未来をつなぐことができるのではないだろうか。そんな方法が語られているのが本書である。
『インプットした情報を「お金」に変える 黄金のアウトプット術』 成毛 眞著 -現代を生きぬく必須スキル-
さすが成毛眞さん!いつもながら成毛流のアウトプット術が語られている。
アウトプットの必要性、書くアウトプット術、話すアウトプット術、見た目のアウトプット術、良質なインプット術の方法が成毛さんならではの考え方で語られている。
成毛さんの著書はビジネスマン向けのものが多く、本書もビジネスに関わり、なおかつ普段、情報のインプットはしているがアウトプットが乏しいと思っている人におすすめしたい一冊となっている。
成毛さんといえば、日本マイクロソフトの社長をされていただけあって、非常に視点が示唆にとんでいて面白い。本書は旧教育を受けた、30代後半のビジネスマンに、これからの社会を生きぬくためにはインプットだけでなく、アウトプットの量を増やしていかなければ生き残れないこと、どのようにアウトプットして行けばいいかをアウトプットのシチュエーション別に説明されている。
現代は情報量が多すぎて、人はインプット過多に陥っている。これからの時代に必要なのはアウトプットであることが、これでもかと述べられている。
"800字と思うな、100字×8だと思え"
これならできそうだと思わせる言い回しをするところがさすがだ。実際にこの記事もこれを参考に書いている。笑
第一ブロック、その本の紹介。第二ブロック、その本の読者の想定。第三ブロック、その本の中身の紹介1。第四ブロック、その本の中身の紹介2。第五ブロック、その本の具体的な中身の紹介1(引用)。第六ブロック、この本の具体的な中身の紹介2(引用)。第七ブロック、この本の著者の具体的な紹介。第八ブロック、なぜこの本を取りあげたのかだめ押しする。
以上のように、書くアウトプットをする上でのやり方も述べられている。
成毛さんの他の著書として、『情報の「捨て方」』、『大人はもっと遊びなさい』などもあり。趣味も多彩だ。オンラインゲームにはまって家に引きこもって会社に出社しないことがあったエピソードは、ある意味こんな大人で、社長がこんな人でいいのかと思えるが、そんな型にはまらないところが他の人と違った個性を発揮して、それが実績につながっていると思える。
成毛さんの著書は外れない。また、一度読むと他の著書も読みたくなる。そんな魅力がある。おそらく人間的な魅了が文字にも溢れているからだろう。読むと必ず得られるものがあるだけでなく、必ず得たものを使ってアウトプットをしたくなる。プレゼンでもそうだが、聞かせるのが目的ではなく、行動させて始めて成功となる。
まさに本作を読んで書評を書いている時点でやはりいい本に間違いない。
小説『億男』 川村元気著 -お金とはなにか?幸せとはなにか?-
『億男』。タイトルから想像するに、お金持ちになった男の話だと想像できる。
まさにそのとおりだ。一夜にして『億』という大金を手にした男が、『お金と、幸せ』について思いを馳せる、誰もが一度は考えたことがある問題をテーマにした小説だ。
小説で、なおかつ文字数も多くないので、普段あまり本を読まない方でもとても読みやすい内容になっている。社会人になって数年、家族を持ち、お金について日に日に悩みが大きくなっている人にとって、考えさせられる一冊となっている。
ぱっとしない図書館司書の主人公、一男(かずお)が、ある時、宝くじで三億円を当てる。
一夜にして億という大金を手にした一男は、浮かれる間もなく不安に襲われた。『お金と幸せの答え』を求めて、大富豪となったかつての親友、九十九(つくも)に助言をもとめて十五年ぶりに訪ねる。借金を三千万円抱え、家族とも別居状態となった一男は、お金があればすべてが上手く行くと信じているが。。。
"人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ。
かの有名なチャップリンの名言を引用して、お金と幸せについて読者に問いかける。
引用されているのはチャップリンだけではない。ソクラテス、ドストエフスキー、アダム・スミス、福沢諭吉、ドナルド・トランプ、ビル・ゲイツ。
たくさんの著名人の名言を多数引用して物語を彩っている。
本作の著書は川村元気さん。日本の映画プロデューサーでもある。
『電車男』、『君の名は。』、『告白』、『悪人』のタイトル名を聞けば知らない人はいないのではないだろうか。 他にも絵本作家の一面を持つ、多彩な才能の持ち主だ。
小説だけでは終わらない。既に2018年10月19日に佐藤健さん主演で映画化も決定している。それだけ多くの人に支持されている作品と言える。映像化するにあたって、小説とは違った味わいを出すのか、注目したいところだ。
その前に、先に原作を読んで、違いを楽しんでみては如何だろうか?