『恋愛工学』?何だそれは?そんな学問が存在するのか?
本書から抜粋すると、恋愛工学とは
"恋愛工学とは、進化生物学や心理学の研究結果、金融工学のフレームワークを使って、恋愛を科学の域にまで高めたものです。"とのことだ。
本書は、著者のゴッホさんがその基本的な理論と、恋愛工学プレイヤーとして実践した内容を盛り込んだ指南書となっている。
本書の想定読者としては、本文中にもあるが『初級プレイヤー、もしくはプレイヤーになろうとしている人』だ。もう少し広い意味では、恋愛に対して非モテコミットを繰り返し、モテから自ら遠のく行動をする男子諸君でもある。
大枠としては藤沢数希さんが連載していた『金融日記』の一部である、恋愛工学がもとになっている。ただし、重要理論のバックナンバーだけでも膨大な量となっているため、初級者として抑えておきたいポイントを分かりやすくまとめて、著者のゴッホさんの経験を盛り込んだ内容となっている。
本書と同様に恋愛工学の入門書としては、藤沢数希さんの『ぼくは愛を証明しょうと思う。』がある。こちらは小説となっており、架空の登場人物である、非モテコミット主人公が恋愛工学を学び、モテる男になる話だ。小説だけあってとても読みやすく、また重要理論も織り交ぜて説明されているので非常に勉強になる。
ただし、体系的に学ぶにはよくできているが、小説のため話がうま過ぎると思える部分もある。その信憑性を担保する意味でも、実際に実践したゴッホさんの経験を踏まえて語られているところが、より具体性を増している。
"女は男のことを良い遺伝子を与えてくれるGood Genesか、良い父になってくれるGood Dadかどうかで評価しています。"
Good Genesとは、"その人の子供を生むと、自分の子供がヤリチンになって、たくさんの子孫をのこすことができる"
また、Good Dadとは、"良い父としての素質です。ここでは、①子育てに協力してくれて、母親と子供を捨ててトンズラしないかの「誠実度」と、②「カネ・権力」をもっているかという2つのポイント"
上記のような進化心理学を使って、論理的にモテるということを証明しているところが、単なる個人のナンパ自慢ではなく、工学として名付けている由縁だ。
著者のゴッホさん自体匿名で活動されている方なので素性は分からない。
自称恋愛工学の中級プレイヤーとのことではあるが、実際にどれだけの実績があるのかは未知数というところだろう。ただし、最近はVoicyでも人気があり、個人的にもおもしろく聞かせてもらっている。
読んでみればおもしろさは分かってもらえると思うが、恋愛に対してあまりうまく言っていない男子にとって、目からウロコであり、良い指南書となること間違いない。
自分ももっと早く知っておきたかったと悔やまれることこの上ない。